エンジニアの仕事は、タスク管理が仕事の出来を左右する重要な要素です。では、タスク管理の「管理」とは一体どのような行動を意味しているのでしょうか。
タスク管理のヒントとなることが、ドラッカーの「プロフェッショナルの条件」という本に記されています。本の中には、「成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。」と書かれています。ここではっきりと肯定的に述べられている要素は「時間」ただひとつです。つまり、これをエンジニアの仕事に当てはめて考えてみると、プロジェクトで成果をあげるためにまず目を向けるべき点は、「時間」であるということが理解できると思います。
プロフェッショナルの条件はドラッカーの考えが1冊にまとめられており、高度なマネジメントの知識を得ることができます。 |
では、さらに管理ということについて掘り下げて考えてみましょう。タスクとは、すぐに取り組める程度の最少単位の課題や作業のことですが、最初にどのような意識でタスクに取り組んでいるでしょうか。目の前にある仕事を最後まで終わらせることでしょうか、それともどのような経緯でその仕事を終わらせるかでしょうか。先にご紹介した「プロフェッショナルの条件」にあった時間という観点で考えてみると、最も重要視すべきは「時間」ということになります。
つまり、こなすべき目の前のタスクを、どのぐらいの時間で終わらせるかという短期的な目標を設定して仕事に取り組むということです。もし、時間に対して制限を設けずにタスクに取りかかってしまうと、今やらなくていいことまでその中に混ざってしまって作業効率を大きく落としてしまう可能性があります。タスク管理をするということには、時間の使い方が大きく関係しているということなのです。
管理を別の言葉にすると、「やめる」ということが言えます。それは、どんなにたくさん仕事があっても時間になったら仕事の手を止めるという意味ではなく、今やるべき仕事とそうでない仕事を取捨選択するということです。どこから手をつけたらいいか迷ってしまうほど仕事がたくさんあるならば、仕事に手をつける前に自分が持っている仕事がどれだけあるかについて全体像を把握することから始めましょう。すると、急ぎではない仕事に手をつけてしまい、遠回りをしてしまっていることに気がつくかもしれません。そして、やるべきことの優先順位を決めて仕事を細分化し、ひとつひとつのタスクを着実にこなしていきましょう。そのようにするだけで状況はかなり整理され、仕事の効率が結果的には良くなります。
仕事に追われている時こそ、やらなくていい仕事を「やめる」という決断をして、もう一度今やるべきことと本来の目標について見直してみるようにしましょう。それがタスク管理をするということなのです。
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